老いのひとこと

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リサイクル兼メンテランス業を請け負った以上は誠意を尽くして完遂させねばなりません。
 自慢にもならない下手糞老いぼれ剣士としての30年のキャリアからして要らなくなった種々雑多な小間物をわたくしはご丁寧にも溜め込んでいたのです。
 それをひっくり返してなお足りない付属品は一部補充はしたものの俄か仕立ての竹刀修理屋さんには充分に間に合う量でした。
 見ての通り新品同様の中古品こんなにも沢山量産されました。
 追って、待ち望む子らの手許へ送り届けねばなりません。
 
それにしても、彼女らの稽古に支障を来さない程度に予備の竹刀を徐々に補給すればそれで事足りることではあります。
急がねばならないが、かと言って慌てふためく必要もないはずです。
 
いずれにしろ、彼女たちがわたしの補修した竹刀で心地よい稽古が成り立てばそれでよいのです。
彼女たちの錬磨の志気を鼓舞するに足るような竹刀づくりに専念すればそれでいいのです。
 
感じたことだが、竹刀は竹の刀に過ぎないが刀は刀なのだから自分の命だと思って大切にいたさねばなりますまい。
勝ち負けだけでない本物の剣道を追究してほしいと思いました。