老いのひとこと

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わたしには殊更剣を語るだけの足跡は何ら持ち合わせてはいない。


ただ下手の横好きからぽつねんと嗜む。


今や週に一度限りの面を被る人となる。


此の日曜稽古でわたしの一週間が恙なく終える。


お疲れさん能く遣ったナ。


おのれ自身がおのれを慰労する。


 


 


先日愛用の竹刀の物打ち箇所がささくれ立った。


凡そ半年間不死身の名刀がついに事切れた。


考えてみれば歳を取り老いぼれしことの裏返し。


腕力で振り回す無茶打ちがさすがに影を潜めた所為でしょう。


手の内が決まってるねと今は亡き荻野先生から叱咤激励のお声が響く。


 


 


先生譲りの銘刀「火山」は悠久不滅なり。


あたかも溶岩が凝結したように柄皮と竹刀が一体となって不朽不滅の体を呈す。


止む無く水に浸して剥離する。


漸く修理完了、此処に不朽不滅の名刀が蘇える。