老いのひとこと

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3段変速の2段ギアでいつもの峠を駆け抜けます。
 今では馴れっこになって余程の向かい風でない限り難なく上り切れるようになりました。
 左手の山の斜面には名も知らぬ各種各様な植物たちが生い茂り四季折々の季節の移ろいを直に感じ取ることができるのです。
 確かに、大儀な思いでペタルを踏むこの一時だがそれでもわたしには結構至福の一時であり癒しや憩いをいただく絶好の時でもあるのです。
 セイタカアワダチ草がそろそろ色めき立つという9月の下旬ごろに一輪の「ヤマユリ」の花に出くわしたのです。
 
 確かに、此のヤマユリは「狂い咲き」したに違いない。
 しかし、此の清楚で可憐な容姿はどこから見ても狂っているようには見えない。
 
 盛夏の頃はとっくに過ぎ秋風立つこの時期に遅ればせながら「遅咲き」したとても初心なヤマユリのようにも映るのです。
 そう思ってよく見れば、恥じらいの風情を醸し出しているようにさえ見えてくるのです。
 
 また、仲間たちが華々しくデビューした真夏のショーでは埋もれた目立たぬ存在であったけど此の度には汚名を返上し「返り咲き」した此のヤマユリに盛大なる拍手を贈ろうではないか。
 今を盛りと自信ありげに咲き誇っているではありませんか。
 花の命は短い、今少し此の秋の好天が長く続けばいいなあと思いました。