老いのひとこと

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金曜は居合の日なのだが此の暑さのなかではやはり居合日和とはちょっと言い難い。


 でも、むかしの人のことを思えば暑いの寒いのと言い訳がましい口実は禁句禁物とおのれに鞭打ち我が道場ふれあい体育館へ急ぎ赴いた。


 広い館内は門戸すべて開放されるが空気が澱み流れようとはしない。


 そんな中、わたしの視界に小さな動く物体を捉えた。


 身の丈が15センチのオオトカゲではないか。


 カメラのレンズを近付けるが逃げる気配なくおっとり構えている。


 取り立ててこちらに危害を加えたり況してや襲ってくる話は聞いたことがない。


 そおっとしてやればいいものの直ぐそこの換気用の溝へ逃がしてやろうと導くが縁の下の暗闇より居心地が良いらしくわたしの側から離れようとしないのはないか。


 恐らくは、刀身に塗り込めた丁字油の香りに幻惑されているのでしょうか。


 


 一点集中には敵わなかったがいつものメニューを熟すことにしたのだが微妙に気が散り気が揺れ動いて得心には至らない。


 納刀の前に目線がトカゲ君に動いてしまう。


 此れでは納得のゆく一本にはならない。


 自分の至らなさをトカゲのせいにするなんて以ての外だ。


 本日は余りの熱気とトカゲ君の出現によってわたしの精神統一と精神修行は相当のダメージを被りました。


 トカゲを目の前にして本日は這う這うの体にて退散致す事と決めました。