老いのひとこと

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陶芸の世界に踏み入り門を敲いてもう既に一年と数か月が過ぎた。


 とは言え、精緻なる芸の極みを盡す陶芸の世界ではなく、わたくしの場合は荒削りで粗野の域を出ない焼物の世界に留まっているに過ぎません。


 思い返せば一番最初に手掛けたのが「たまつくり」によるぐい呑み制作でした。


 あの時のあの初々しい感触を思い出しながら今回は菓子鉢に挑んでみました。


 実はこの菓子鉢は一度「たたら作り」で試みたのだが上手く行かず断念した経緯があり此の際は基本の基本に立ち返り初心にかえって忠実に教科書通りにやってみることに致しました。


 特に内壁の内側に窪んだ円やかな丸みを施すことに腐心し執着したのだがモデルの原形のようにはいかなかった。


 また、漆黒の黒と真紅の赤のコントラストの妙は所詮色化粧土如き代物では再現させることは難しかろう。


 依って、思案の末に文字を書くことによってお茶を濁すことと致しました。


 何せ菓子鉢の蓋がしっかり閉まらないと中のお菓子が湿ってしまう。


 蓋がしっかり閉まるようにと願いを込めて「阿」「吽」にしました。


 ぴったり呼吸が合うように本体と蓋の部分に願を掛けて見ました。


 品のない遊びこころが度が過ぎてハチャメチャではないかと又誰かさんから揶揄されそうです。