老いのひとこと

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無断掲載



生粋の金沢人で在りながら迂闊にも「ひがし茶屋街」の中にマイカー諸共迷い込んでしまいました。


殊更、悪意で以って故意に入り込ん訳ではない。


進入禁止の標識と一方通行の矢印に細心の注意を払いながら最徐行で進めば知らぬ間に車幅一杯の本当に狭い通路に立ち往生してしまった。


通り抜けが敵わずバックで引き返すしかない。


冷静さを装いながら道路の幅員を目で確かめる。


さすが古都金沢の観光スポットなのでそぞろ歩く観光客が後を絶たない。


私服ながらも此の一帯を警護なさるお方が立ちはだかって怪訝なお顔を為されているが心配したような嫌味とか警告らしい言葉もなくわたしのようすを静観為されるだけであった。


指をさしてわたしの脱出方法を無言で教えてくださったようだ。


まさか、弁柄格子の茶屋街のど真ん中を突き切ることが適うとは思いもしなかった。


文化都市に相応しい洗練された対処対応に大いに感服した。


不快な胸騒ぎを催すような刺々しい表情もなく極めておっとりとした紳士的な立ち居振る舞いに同じ金沢人として誇らしく感じた。


そして、「金箔屋さくだ東茶屋街店」に出くわしたのです。


やがて、利家公に相応しい素晴らしき「金鯰尾兜」がわたしの手許に届く事に相成る次第なのです。