老いのひとこと

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秋雨が止んで久し振りの晴れ間に何時のようにペタルを漕いだ。


ふれあい公園の外周を走れば落ち葉散り敷く桜並木もしっとり落ちついている。


いつものあの青年が今日も一人黙然と砂場で戯れている。


幼児のための砂場で此の青年は回転と云おうか宙返りの練習に余念がないのです。


夏の頃にはたどたどしく片手を付いた横転の様に見えた出来栄えも盛夏から晩夏へ、そして初秋も過ぎて秋たけなわの此の時期には長足の進歩を遂げたではないか。


何故かしら、実にタイミング良く此の若者の独習中目掛けてわたしは此の地点に差し掛かるのです。


偶々、昨日の事此の砂場で此の青年は物の見事に後ろ宙返りを成功させたのです。


でも拍手は出来ない、思わずわたしは“ナイス、お見事”と叫んだ。


彼はきれいな着地と同時に直立不動の気を付けの姿勢でにっこり笑みを湛え深々と一礼を返してくれたではないか。


名も知らぬ一好青年であった。


この時刻に自由の身で居られるのは恐らくは浪人中の学生さんだろうと察した。


きっと、第2第3の内村選手を目指す夢多き若者に違いなかろう。


わたしは車上よりわたしのこころのデジカメで此の宙返りの瞬間を見事に捉え残影を脳裏に焼き付けたのです。


 


その直後、額四峠にて実にお見事な夕焼け空に出くわしたのです。


今度は、自転車を降りて実物のデジカメで真っ赤な夕日を撮ったのでした。