老いぼれの独り言

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我が家の古時計が動かなくなった。
 でもわたしはまだ生きている。
 
 唄の文句のようにはならなかった。
30年以上わたしらと共にわたしらを頭上から見下ろし続けた古時計だ。
頭の上が空っぽになってとても淋しい。
拍子抜けし居心地がよくない。
飯まで不味い。
やり切れない思いで時計屋さんへ緊急入院させた。
熟練工の「タツハシ」さんならお手のものだろう。
ゼンマイ仕掛けなら100年はもつと云われる。
時計の余命が長すぎてわたしの方が先に参ってしまいます。
いのちある限りチクタクチクタク只ひたすら時を刻み続ける此の時計にあやかって此のわたしも足腰を擦りながらアクセクアクセク日々の日課を黙然とこなして行かねばなるまい。
そして夜ごと夕べには此の古い柱時計の下で一献傾けながらもうしばらくこころ安らかに(くつろ)ぎたいものだ