老いのひとこと

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暇潰しに良くハードオフ店をうろつく。


先日のことあどけないお下げの仔の置物にすっかり魅せられてしまった。


陶器には間違いなさそうだ。


なのに内部が空洞でありしかも完全に密閉されたままではないか。


摩訶不思議、如何なる絡繰りが隠されているものか暫し佇み興味が尽きない。


108円の正札が付いていた。


余りの安値にこの仔が可哀想に思えてつい買い求めました。


昭和維新のあの往時、東北地方の極貧小作農はわが愛しき娘を身売りしたという。


此の置物を手放さざるを得なかった平成の御仁のやる瀬なき心中をおもんぱかれば余りあるものがある。


あどけない表情が言い知れぬ憂いを帯びる。


此の人形を所持した御仁のお人柄がそれとなく偲ばれるではないか。


余生間もない身ではあるが此のわたしが代わりになって愛で申し候なり。


或る日のこと、きっと寂しかろうと此の仔の姉妹を作ることを思い立った。


 


せっせせっせと一心不乱に時間の経つのを忘れて取り組む偏屈者が此処に居る。


 


土鈴の作成手順に準じて作業を進めることにした。


こころが、やってみれば曲線の中に直線の妙をアクセントとして描き出すのは決して容易くはないことを知った。