額谷地区は聞くところに依れば「珪化木」の埋蔵地として知る人ぞ知る存在であるらしい。
物言わぬ岩石には全くと言ってよいほど興味も関心もなかったのだからそんな事は知るはずもなかろう。
それがどうしたことか行き成りその植物化石に飛び付きご執心の様はどうみてもわらびし過ぎていただけないのです。
兎に角この「珪化木」なる化石植物は化学式SiO₂つまり二酸化珪素で成り立つものであるという。
どうも此の白い物体は水晶か瑪瑙に成り損なった得難き原石なんて申さば此れ呆れ果てたお馬鹿さんに映るに違いない。
珪化木の破片と共に此の大理石のような石ころが何故転がっていたのだろう。
此の黒い物体は石炭に成り損なった「珪化木」の破片と欠片なのです。
一見すれば木炭のようにも見えるが持てばずっしり重く化石には間違いない。
一度、1300度の電気窯で陶土に混ぜて焼いてみることにしよう。
此の得体知れぬ異様なる物体はいったい何ものなのだろうか。
これも果たして「珪化木」なのだろうか。
ブナやタブの樹の大木ではなく枝の部分か根の部分なのだろうか。
それとも恐竜の骨か角の一部分なのだろうか。
大きさに比しずっしり重く1・4kgある。
不可思議なる謎の物体なのである。
これは若しや或いはひょいとして太古のムカデのような節足動物の化石ではあるまいか。
バカげているがシダ類の葉のようにも見えるではないか。
全然、訳の分からぬことを抜かしやがって何事だ。それにしても興味津々実に面白いではないか。
まるで小学生時代にタイムスリップし夏休みの一人一研究に夢中になっている自分自身がそこにいるのです。
あきれ果てて開いた口が塞がらない。