老いのひとこと

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おお、愛しのクレメンタインよ、もう暫しわたしの口元を離れずにいて呉れ給え。


 


不用意にも異物を噛みしめその激痛に飛び跳ねた。


迂闊にも焼き豚に食い込むタコ糸を噛み砕いたが貴重な左下犬歯の方を砕いてしまった。


グラッときて今にも欠落しそうになってしまったが意外にも痛みは和らいだ。


今にも抜け落ちそうだがネットリと歯根にしがみ付き執拗に生き抜かんと踏ん張っている。


此の世に未練があるのではない、自然の摂理に従って天命の下るを待っているだけなのです。


余命は何日間かは知らねどもわたしと共に精いっぱい生き抜くことを7月14日に誓ったのです。


おお、わたしのクレメンタインよ、ぐらぐらするけどまだある命、こぼれる歯並び笑っておくれ・・・