老いのひとこと

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無断掲載



11月3日は恒例の全日本選手権の日です。


3時半よりテレビの前で被り付き観戦でした。


内村選手の四連覇ならず九州学院後輩の西村選手が賜杯を握った。


血沸き肉躍る大熱戦が繰り広げられたが若さに勝る西村選手が見事な小手技を連取しあっ気なく勝負がついた。


流石の内村選手も西村選手の鋭い攻めに微かに手許が動いた其の瞬間を捉えられてしまっていた。


天晴れと云うしかないがそれにしても全日本選手権大会に華を添えるような余韻が余り伝わって来なかった。


準決勝戦で前田四段が内村七段に対峙し前田選手が内村選手より見事な相討ちの面技を先取したあの一本に尽きると思う。


願わくは互いに相面を取り合っての決着へと結びつけて欲しかった。


とくかく矢鱈とお小手技が多かった。


もう少し全日本の名に値する観る者に感動を届けるような好勝負を披露してほしかった。


剣道の醍醐味は面技に尽きる脳天を真っ二つに両断する大技を見せてほしかった。


小手に行き手首を斬り落としても左手はまだ生き残りましょう。


鮮血が未だ飛び散る中でのあの勝利インタビュー場面にどうしても一言呈さざるを得ない。


強敵先輩を打破したその悦びはそりゃ一入でありましょう。


嬉しさを隠せずつい白い歯を見せてしまわれたがあれは如何なものかと思った。


敗者はまだ悶え苦しんでいるその場面で勝者が笑みを溢しては元も子もない。


日本剣道が哭きはしまいか。


幾ら剣道が競技スポーツ化しようとも本来の美しい武道精神の片鱗をば此の全日本選手権にだけは残して置いてほしいものだとつくづくそう思うたのです。