無断掲載
西村選手の攻めの剣道は物凄い尋常ではない。
そのタイミングと速さには目を見張るが動体視力が付いて行かない。
有効打突を見失う、よく判らないくらい早い。
鋭い攻めの気勢が相手を動かし間髪を入れずに
体が動く。
先だってのＮＨＫのドキュメンタリー番組で西村選手のフクラハギがクローズアップされた。
見る者みな唖然とした、その強かな筋肉には誰しも恐れおののく。
内村選手とて知らぬはずがない。
攻めの気勢に蹴り足のあの筋力が加われば鬼に金棒
誰しも「四戒」が脳裏を翳める。
その刹那に動いた小手が斬り落とされている。
恐るべき剣士だ。
決め手の殆んどが小手技ではありませんか。
そしてその小手技はことごとく捨て身の技が光る。氷の刃の真下に我が脳天をさらけ出して小手技で勝機を掴む。
此れぞまさに剣の極意技なのでしょう。
ところが此処で再び苦言を呈さざるを得ない。
小手技は相手に致命的損傷を与えましょうが相手を即座に成仏させるには至りません。
剣道は本来遣るか遣られるか命を賭した勝負なればやはり脳天を切り裂いて即座に決着させてこそ武道の哲理に適うのではあるまいか。
先日の大会で双方共に先を取らんと激しく前へ突進する美しい相討ち面の場面が少なからず在ったが全然ないに等しい、寂しく残念に思う。
面を打っても間合いを嫌って身を余す場面が余りにも多く在り過ぎた。
互いに面を打ち合って勝敗を付ける相討ち面の場面をもっともっと見せてほしいものだとつくづくそう思った。
