週に一度の日曜稽古に鶴来まで馳せ参ず。
目を見開き歯を剥き出して裂帛の気合いで掛かってゆく。
手抜き無用相手の段位や称号はお構いなしに生の剣士同士が諸にぶつかり合う。
でも、勇猛果敢に掛かれどもその都度その都度わたしは
「お見事」でした。
「一本頂きました」と頭を下げざるを得ません。
それで好いのです。
それで十分に納得いたすのです。
それが当たり前なのです。
可愛がってくだされ有り難う。
身一杯精いっぱいの技を出し合い立派な仕合が成立できて嬉しかったと有らん限りの声を張り上げて挨拶する。
技前では素晴らしい技を頂戴したので当然ながら大きな禮でお返しいたさねばならないのです。
快汗と共に快感を満喫する瞬間なのです。
稽古が終わりふと右の手首に目をやれば見事に打突部位を斬り落とされたその痕跡がありありと覗える。
決して痛々しくはない剣士にとって此れほどの素晴らしい勲章はない。