老いのひとこと

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先日のこと英信流の奥義は初発刀にこそあるというブログ文にお目に掛かった。


その折には何故かしら政岡壱實・末岡敬正両師匠と遙か遠く彼方に間々接的ながら中山博道の御三方のお名前に想いを致した。


丁度60年むかしになる。


わたしは末岡先生に手を引かれて県立武道館の旧館4階の道場にて政岡先生の前へ引きずり出されたのが居合との馴れ初めであった。


短い期間ではあるが政岡先生にご指導を仰ぎ先生直伝の無双直伝英信流の初伝「大森流」の初発刀の真髄に触れ一目惚れ致した次第になる。


以来、中伝立ち膝の部「横雲」、奥伝立ち膝の「霞」にまでは至ったが上達の二文字とは無縁の身でとうとう此の齢に至ってしまった。


それでも今日は金曜日定例の稽古日なので全剣連制定居合一本目「前」と大森流「初発刀」と中伝「横雲」と奥伝「霞」を政岡、末岡両師匠立会いの下存分に抜かせて戴いた。


60年前の忠告が今に生きる。


「左の手で抜き、右の手で切れ」


「鞘引きから鞘放れの妙を忘れるな」


「刃筋正しく横一文字に切尖が確と走ったか」


「攻めの気勢鋭く左膝を送って真っ向斬り伏せたか」


天に御座す立会人は両師匠に後ろに閻魔さんのおかおが覗いている。


自己採点、20点そこそこ加齢と稽古不足につき止む無し。


舞を舞うがごとく迫力なし。


なお中山博道先生は同じ長谷川英信流なれど下村派に在られるので我らが属す谷村派とは多少趣きを異にすることになる。


無双直伝英信流に対し下村派は無双神伝英信流と呼ぶと云う。