元ふるさと偉人館と大拙記念館の館長先生のお話を新竪町小学校まで出向いて聞いてきた。
鈴木大拙の高邁なる学説を噛み砕き平易な言葉で教えていただけるものならばこれ以上の幸せはないと遠路はるばる馳せ参じたしだいだ。
ところがやはり其の安易な魂胆が宜しくはなかったようだ。
そもそも他人様の力を借りて勉強しようなんてそれは間違っていますよと今日の先生から厳しき指摘を戴いたのでした。
此の校下から輩出した此の九人もの偉人たちから君たちは一体何を学ぶべきか。
それは知力で勝負することの大切さを知ることですと諭す。
難しい漢字と悪戦苦闘しながら本を読むことだとおっしゃる。
好奇心を持って未知なることに挑戦し自分の足で探し求める気力なんですよと力説なされたのです。
決して「即非の論理」とまでは至らなかったがそれ以上に頗る善い話を聞けて寒い中はるばる参った甲斐がありました。
わたしはそれとなく感じた。
加賀百万石を有する雄藩が明治維新劇には脇役にも在り付けず苦杯をなめ後れを取った。
その屈辱感の表裏一体に島田一郎らの義挙が此の世に躍り出た。
処が此の歴史的出来事が契機になって爾後武力ではない知力で名を馳せる逸材が此の地より明治の世に続出したのではなかろうかとわたしはそんなことを感じた。