老いぼれへぼ教師の回想記《46》

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廊下を磨き、道場を磨く。
心を磨き、心の力を育てる。
日本を美しくする会>を首謀される
ユニークな経営者鍵山秀三郎氏に他ならない。
イエローハットの創業者でもあられ、「掃除道」の名付け親でいられる。
グローバル化した「掃除道」は「武道」同様国際化著しく、世界各国に波及した。
あの当時、鳴中名物男の御両人が真っ先に竹箒を握られたのでした。
 

 
 
 
 
その四 鳴中や 通り過ぎたり 駆け足で(7)
 
名物校長と生徒会会長
 
 新校舎の玄関先を竹箒で掃き清める二人の姿をよく見かけた。
 朝の七時前の頃から校長と生徒会会長の両トップは率先して範を垂れた。
 新聞の新書紹介欄に『掃除道』という変わった書物を見た。
剣道・武士道に相通じる言葉なのだが余り聞きなれない。
半端な掃除ではない完膚なきまでに掃き、拭き、磨き上げる。
この掃除を徹底させると、倒産しかかった赤字企業が見事に立ち直り黒字企業へ変身した。
 あるいは授業も成立できぬほど荒廃し切った学校が生き返り光明が差しはじめた。どうも本当の話らしい。
 何十年も前に米尾校長とH会長は既にこれを先取りし実践済みであった。
 決して当時の鳴和中には学級崩壊のその片鱗も、またその兆しすらなかったのだが、ただ校舎が全焼し、とかく暗いイメージが付き纏っていたので、好からぬ風評を払拭する意味からも大事なことであった。
 もっとも、竹箒と風評の払拭とはなかなかリンクし難いが其処が怪物の怪物たる所以なのかもしれない。
 H君にとっては剣道にも相撲道にも、そして掃除道にも相通ずる現象として素足の男の印象が強い。彼は何時も何処でも裸足で通した。
 選挙公約が、みなが素足で過ごせる学校生活と美しい校舎であった。