老いぼれへぼ剣士の夕雲考《45》

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本来無一物
 
 数日前に、変わった封書が届いた。封がない封書でした。
 そこには、ケニア国の難民収容所で国連職員の一人として勤務される箱﨑律香さんから、辛うじて生きている難民たちの生々しい惨状が綴られていた。
 ダダーブキャンプでの、死と隣り合わせる避難民の実態がそこにあった。
 平間理子さんは看護師としてマダガスカル島に二十年にわたり根を下ろし貧民救済に当たられている。
 曽野綾子さんもアフリカの惨状をつぶさに現地踏査され活きた貧困論が展開される。
 
まとめ(7)=その2
 
すなわち、「満ち足りた平和で幸せな生活」の前提として次の5点を指摘された。
 まず、極貧の極限を知ること
(画面では、今日食べるものが無い状態、日本人には一人も該当者はいない。地球上には10億人の飢餓民が存在するという)
 極貧の中で生命の危険を身をもって体験すること
 我が身の危険を承知の上で戦いに挑んでゆく勇気を持つこと
        戦いの最中、仮に自分にとって不利な運命が待っていても自分が犠牲になることを厭わない
 自己犠牲を覚悟する勇気を持ち合わせること
これは、『寥寥たる天地の間 独り立ちて 何かを極めんと望む』に集約されはしまいか。
『貧の極意』と『貧の平和』を説いた鈴木大拙の言葉と見事合致しはしまいか。
平和を希求してやまないDNAは時代を問わず人種を問わずに必ずや継承されていくことを信じたい。
 
あらがう事のない平和は「自己犠牲」と「無私」の上にかろうじて存在し得る。
それらしき生き様を江戸時代の剣客針谷一雲と小出切一雲が『相抜け』の技で世に示した。
定着することはなかったが、その理念は細々ながらも今日なお生き続けているのです
 
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