春桃院(南麻布)
その基礎学力は、若き頃半井驢庵 (なからいろあん)塾で医術と共に培ったものでありましょう。
師針谷夕雲ともども、その功績は末永く後世に伝承して然るべき人物だと、わたしは確信する。
『夕雲流剣術書』ーはじめに(22)
小出切一雲のこと=その14
一雲は、その後京都へ上り一両年ほど過ごして再度江戸に帰り、増上寺付近の御掃除町に住み、筆と剣の二藝を生涯の楽しみとしたのだという。
そして、1706年(宝永3年)4月26日に七十七歳でもって世を去った。
麻布仙台坂の春桃院にて葬られた。
遺言により墓表は建てなかったのだという。