うらなりの記《70》

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 野田町住人の故末岡敬正師より二振りの日本刀を拝領した。
 此のいきさつより、手入れに必要な打粉とかお拭紙、そしてお刀油は小立野の中村漢方薬局より入念に仕入れた純粋の丁子油等は所持する。
 丁子は東南アジア原産のフトモモ科植物で樹高10メートルの大木で高い梢の先に花蕾をつけるらしい。
 それを乾燥させ生薬として健胃剤、殺菌剤、消毒剤として利用するらしいが、百里香の別名があるくらい芳香性が強い。
 もっとも最近は、枝葉や根茎部分から精油を抽出しているとのこと。
わたしは、錆止めとして重宝している。
 
 
その七 友重(3) 
  
 昭和四十四年、父の死去に伴い、暫時高橋家で保管され眠っていたものを、昭和六十三年八月二十二日の日付で私は強引にも正純名義に書き改めてしまった。
既に母ミサオもこの世になく、三男利治が名実共に高橋家を継承しているにもかかわらず、横槍を入れてしまったことになる。
 刀剣類に関する若干の経験と知識を楯にして利治を説得し認知してもらったことになる。 
 少なくとも私はこのように判断し理解している訳だが、改めて機会をつくり鉄二を交えた兄弟三人でこの刀剣の今後の有り様について話し合う必要性を痛感していたその矢先に次男鉄二は逝去してしまった。
昨日、墓前にて逢って話しして来た。