老いぼれの中国紀行《12》

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中国紀行
 
最終回
互いに我執に執着し、何時までもヒステリックに目くじらを立てていても始まらない。
われらが国の文化文物の源泉を辿れば、やはり孔孟の教えであり老荘の学に行き着こう。
屈服ではない妥協を計るためには、先ずは先駆者を立ててこちらが身を退く。
譲れる範囲内で、もう一度下がってみる。
弱腰へな猪口屁っ放り腰外交と如何に嘲弄されようが構わない。
高尚なる大人の対応を待つしかない。
この際「相討ち」の勝負に出れば双方傷つくだけではなく恐るべき致命的結末に至るは必至。
孔孟老荘の先学を学んだ江戸期の剣士針谷夕雲が編み出した「相抜け」の極意技を活かさぬ手はない。
先見の目持つ賢明なる為政者は何処に居られるものでしょうか。
われら庶民は、忍耐強く待つしかない。
われら庶民が為すべき手立てはないのだろうか。
いや逸早く何かに訴えかけて行かなけば、間に合わない。
急がねばならない。
 
如何に小面憎くても、中国の佳きものは好いに決まっている。
桂林まで貶す必要はどこにもない。
 

桂林にて詠む

堯山や  初音とともに  登りけり
堯山に  小手毬の花  風にのる

山の水  とうとうと流れ  春とどく
桂林に  雲立ち込めし  春景色
春曇り  霊たたずみし 漓江かな
やさしげに  山重なりし  支那の春
                       終