老いぼれの独り言

イメージ 1
愚かなりし者が記す
 
漸くにして金太郎さんと清三郎さんのお墓に在りつけた。
舟田氏から得た情報に基づき再三試みたが空しく不発に終わったままであった。
それで今日は管理事務所にて確認をとって漸くにして延べ七万基の中から見事的中を果たした。
目ぼしき標的はやはり竹柵で囲まれし墓地であった。
その竹柵から僅か数メートルを隔てた、まるで隣接する至近距離にお目当ての津田家の墓がぽつねんと佇んでいたのでした。
この竹柵の中の主は何と他ならぬ小堀遠州所縁の甥子と孫たちの墓であった。
三代目の前田の殿様利常公が小堀遠州とはとても懇意な仲で茶人として又作庭家として教えを乞う間柄であったのだという。
この遠州流の茶人たちが此処金沢の地に骨を埋めたことと相なろう。
吾らが金太郎さんも清三郎さんも斯くも風流なお方たちに寄り添うように眠っていらっしゃった訳なのです。
野田山一帯を広大な庭と見立て利常公は山桜を移植したのだという。
津田家の墓地には桜ではなく「しきみ=樒」が一本植えられている。
丁度今を盛りに微かなる芳しい香りを発していた。
謎の人物津田香太郎が手植えしものと推察するのです。