老いぼれの独り言

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車の中に置いていた雨傘を何処かで置き忘れたらしい。
にさん心当たりを探ってみたが見当たらない。
先日、六水会の独り稽古に赴き帰り際にわたしの物らしき一本を見つけソーと持ち帰った。
家に帰りもう一度しげしげと眺めてみるに確かに似てはいるが色合いがしっくりしない。
少々気にはなったがおのれに言い聞かせ風呂に入ったが何時になく全身の寛いだ解放感がない。
何かしらしっくりしないのです。
 
わたしはおのれ自身がおのれ自身を欺いている自分に漸く気付いたのです。
風呂を早々に終え直ちに武道館へ直行し現物を返納してきた。
人の良さそうな管理人さんは怪訝そうな素振り一つなく笑顔で応対してくれた。
 
先日、県立美術館で『薬師浄土曼荼羅』を見てきました。
お坊さんから閻魔大王さんのお話を聞かされたのですが、わたしもやがては必ずやこの閻魔さんの前に立たされる時が来るのです。
閻魔さんは横のテレビモニターのような浄玻璃の鏡をじっと見てわたしの悪行罪業を洗いざらい見届けられましょう。
見え見えの嘘をついてもすべて閻魔さんに見透かされているのです。
 
わたしはあの傘の一件は正解であったと胸を撫で下ろしております次第なのです。
これで温かい光と心やすまる音楽に満ち溢れるあの世の楽園へ召されること間違いなさそうな気がするのですが・・・