老いぼれの独り言

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三国連太郎さんは老け役に徹するために自分の前歯を10本も抜いてしまったのだという。
自分で抜いたのか医者に抜いてもらったのかは知らない。
麻酔を掛けたのか本当に掛けなかったのかも知らない。
それにしても随分大外れたことを断行し自己主張をなされたものだ。
さすが怪優と呼ばれる由縁だ。
それに比して此のわたしはたかが前歯の一本にこだわり続けている。
先だっての夕食中に音もなくぽろりと抜け落ちてしまった。
行き付けの歯医者さんでボンドかセメダインでくっ付けてもらった。
只それだけなのにも関わらず歯茎にチクリチクリと何本もの麻酔が打たれた。
此れが何とも言えぬほど不気味で仕様がない。
いたっての小心者なのだ。
おまけに前歯一本にこだわっている。
見栄や外聞にこだわっている。
棺桶に入るのに前歯が一本多かろうが少なかろうが関係がないのにもかかわらず拘っている。
いたって人間のスケールの小さい小心者なのだ。
小さなことを気にする自分と、そういう自分を戒める自分がいて
くだらない事に思い悩んでいる。
 修行が全然足りない。
 禅寺に籠もり坐禅を組んでみたい。