老いぼれの独り言

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64年むかしに野田中3年12組を巣立った同窓生たちが白峰の民宿に相集った。
常連さんたちは細目に寄り合う機会を持っていたらしいがわたしにしてみれば初参加に等しい。
岩魚料理に旬の山菜きのこ類が彩りを添え美味い地酒で大いに歓談し合った。
全山これ紅葉とまでは行かなかったが夕陽と朝陽に輝く白山山系の山々を時間を問わずに四方八方から愛で合うことが適えられた。
ソバ打ちに興じ、それを我が身ら自ら舌鼓を打ち合った。
赤の他人ではないにしても最初の内はみな初対面の人たちのように思えてならなかった。
帰り際に至って漸く何となく打ち解けた気持ちになったというのが正直なところでした。
半世紀間以上の物凄くながーい空白を埋めるにはもう少し時間がほしかったなあ。
 
ソバを打ちながらこんなことを思った。
そば粉と打ち粉をふるいに掛けて切り離し更に寸断しもう一回分断し細断をしつづける。
徹底的に個個バラバラになった粒子を今度はお水を加えながら練り合わせ粉ね合わせ一体化させる。
徹底的に練ってねって練りまくる。
一体化したものを同質化させさらに同体化させるようなものだ。
そして、それをめん棒というのし棒で叩いたり圧したり丸めたりしながら気長に薄く扁平に引き延ばす内に丸い円形が角ばった正方形に変形してゆくから不思議だ。
それを今度は何重にも織りたたんだ上でそば切り包丁でまた細断する。
いわゆる押し切りに分類できよう。
御蕎麦の誕生に他ならないが此処に個性が生ずる。
均一ではないところが面白い太い子細い子極端な出来そこないも居よう。
個性たっぷりでそれでなおよい。
 
個性持つ個々人が学校と云う団体生活を強いられ個性が埋没し校風と云う合言葉で一体化してしまうが卒業と同時に個々人の持つ本来の個性に一層磨きが掛けられたまま外の世界へ解き放されるのでしょう。
 
参加した七人七様みな個性たっぷりの持ち主であった。
ひと夜の内でそのかけがい無き個性をみな等しく理解合うことは出来っこない。
それでも粗方知り合うことが適ったような気持になった。
クラス会に思い切って参加してみたことは大正解であった。
幹事のみなさん、参加されたみなさん、お世話戴いでありがとう。
感謝申します。
 
あっ、そうでした比咩神社の境内で将中時代の田中君から突然お声をいただいた。
タカラジェンヌのような麗人に遭遇することができて錦繍の秋の一日に格段の彩りを添えることが適いました。