老いぼれの独り言

イメージ 1
 
 
「翔」を伴って鶴来武道館を訪問した。
剣道の日曜会稽古と併せて今日は弓道に於いてもお世話いただくべく門を敲いた。
清閑とした佇まいであった。
不遜にして不躾な言い回しであるが寂然とした無人の館であった。
管理人のお方に許しを乞うて案内を給わった。
広々とした空間に近的射場六人立ちの真新しい道場が目に入った。
明るくて清楚なつくりは兼六園道場とは比べようがない。
白山市連の関係者の断わりなしに道場の床を踏むには些か抵抗もあったが敢えて巻藁の前に立たせていただいた。
正味一時間強ほど邪念雑念を抱くことなくやり通した。
下界とか俗界から隔絶された聖なる神域にわれ独り閉じ込められた錯覚に陥りながらただひたすら弓を引くことに集中できた。
至福の一時であった。
時折、鶴来線の電車のレールの音が窓越しに聞こえた。
此処には小鳥の囀りはなかった。
静寂そのものであった。