老いぼれの独り言

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道路脇の草むしりを思い立った。
誰かに催促された訳でもなく自らの意思に従った。
道端のコンクリートの僅かばかりの隙間をかれらは生息の場としている。
決して最良の環境ではないが道行く飼い犬たちが足繁く行き交いその都度ところ構わず用を足していく。
栄養補給源は途絶えることはない。
寧ろ肥沃過ぎる嫌いすらあろう。
従って成長よろしくよく繁茂いたすのです。
メヒシバたちはまだ成長してない。
コニシキソウもまだウーンと小さい。
主にツメクサとアサシラゲが蔓延っている。
ところがどうしてもニワセキショウマツバウンランには手が出ない。
情が移ってしまっていて引っこ抜くには忍び難いのです。
よーく見るともう一種可憐な花をいただく見掛けないのを発見した。
此れも不憫に思い温存させた。
さっそく、一株採取して濡れた新聞紙に包んで自然史資料館へ直行した。
植物担当の先生は膨大な図書資料の中から即座に一発でページを開いて「トキワハゼ」と指摘してくださった。
さすがその道の大家らしく大いに感服した。
たまたま、「正宗厳敬の植物図」展が開催されていた。
著名な植物学者であられ文人正宗白鳥実弟に当たるお方で地元の金沢大学でも教鞭をとられたらしい。
そこで拝観した厳敬先生の制作されたウワミゾザクラの植物図には圧倒されっぱなしでした。
気が遠くなりそうな繊細なタッチでこのサクラの特徴を見事に描写しきっていました。
夥しい数の植物図は実に圧巻でした。
来館した意味が双つ重なってあり来てよかった。