老いのひとこと

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ご近所の閑静な御宅に出窓造りの飾り棚があり其処には素敵な陶芸品が四点ばかり展示されるのです。
 住人の御方の品位を偲ばせる作品に心惹かれわたしはラジオ体操の帰路には必ずと云っていいくらいに足を止めるのです。
 いやいや、と申すよりこれらの作品が放つ人を引き付けて止まない不可思議な魅力についふらふらと吸い寄せられてしまうのです。
 毎水曜ごとに通い詰める鶴寿園陶芸教室では目下のところタタラ造りの皿と花器に挑戦中なのです。
 ところが不思議なもので構想を練る先に目の前に彷彿とちらつくのが惚れ込んだ名作の残像なのです。
 自ずと摸写の為の模作に取り掛かっているのです。
 でもそのお手本を見習い取り組んでみるものの行程手順等は出鱈目なので似ても似つかぬ飛んでもないモノにしかならなかったのです。
 素焼きの姿が何ともみすぼらしく痩せ細ってしまったと思えば本焼きを済ませた晴れ姿はどこにもなく歪なうらなりさんがわたしの目に飛び込んできたのです。
正直のところ大変なショックです、がっかり気落ちいたし陶芸から足を洗おうかとさえ思った。
おのれの力量に見切りを付けた次第なのだ。
 
非常識にもドベに用いた粘土と本体の粘土の色が異なる初歩的ミスを堂々と犯してしまっている。
何分色弱の身の悲哀を厭と云うほど味わってしまったのです。
でも、いくら何でも白旗かかげて敗退するわけには行かないだろう。
才覚的には下手糞でも良いのだからとにかく誠心誠意魂を込めて一心不乱に格闘いたさねばならないのではないか。
陶芸の世界を舐めてはならんし侮ってはならぬ精魂込めて再挑戦することを茲に誓いたい、誓わねばならない。