老いのひとこと

とうとう悪夢が現実となってしまった。
 遣り切れない切ない思いに震える。
 何を為せばよいのかこれからどうあるべきなのか。
 憎むべき蛮行に日本国政府はそれ相応の償いを強く求めるのだという。
 テロとの対決姿勢を露わにより鮮明に国際協調を基軸に包囲網を強めて行くと宣告された。
此れは二人の犠牲者を前にして当然すぎる主権国家としての言い分でしょう。
 
事態がこの局面に差し掛かる最中に彼のトマ・ピクテイ先生が来日なされたのです。
テレビや新聞はこの一連の大きな出来事の蔭に隠れて「格差問題」は小さく報ぜざるを得なかった。
無頓着にも此のわたしは此の両者は異質なものと見過ごしていたのだが今朝に至り漸くにして我が身の浅はかさに目覚めたのです。
日本国が火急の時にピクテイ先生が訪日された意図らしきものがわたしなりに微かに見えてきたのです。
テロの背景を見るとき其処には様々な要因があろうけどその礎となる根本土壌には間違いなく地球上に格差問題が横たわっていると素人目にも判る事なのです。
この格差問題に経済理論のメスを入れ解決の糸口を究明なされたピクテイ教授にしてみれば暗に目立たぬように解決策を示唆する為の日本訪問で在ったのではなかろうかと勘繰るのです。
遠巻きでまだるっこく代わり映えしない方策かも知れないが軍事力や経済力でテロ壊滅作戦を錬るよりも有効な手立て「格差是正」「差別偏見是正」を目指し急がば廻れ遠回りでもよい遣って戴きたいと思うのです。
或いは教授の願いも其処にあったのではなかろうかと極めて身勝手な思いを巡らすのです。
 
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