老いのひとこと

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ニュースを見ていたら愛川欽也さんと町村信孝さんが体調不良で入院なされたやに伝えている。


御両人共々夫々の分野においては重鎮として君臨為されその道の第一人者であられた。


 


ところが今此処に、実に取るに足らぬ下らぬことにうつつを抜かすやからが一人体調不良を訴えしょぼんとしている。


今日は、審査日に先立ち県武の道場へ下検分に行きました。


四階にある道場へは度重く参上し御世話いただいた事を思い出しながら弓道場をみれば其処は双面の広さでわたしの受検場は脇正面寄りにありました。


面識はなかったがお若い方たちにお願いして五人立ちの三番目に混ぜて頂き行射をさせて貰ったのです。


案の定、大前の弦音をひたすら待てども待てども


時計の針が止まったかのように時が動かない。


 無情なる仕打ちに起てていたはずの我が右足親指が力なく平伏してしまったではないか。


 只ひたすら立ち上がらんと両足踏ん張って踠がけども無慚なる有り様を衆目に曝け出すだけでした。


 その間、誰からも何らの声も一切かからない。


 まさに孤立無援の世界です、自主自立を地で行く弓の世界なのです。


 此の場面では、わたしの唯一の対処法は右足を前に出して立ち上がるしかなかったのです。


 重大なる禁則行為を犯してしまったのです。


 筆舌に尽くし難き恥辱と屈辱感に撃ちのめされてしまった。


 茫然自失の様でした。


 


 


 それでもわたしは白旗を掲げることは忌避し生来の強がりから近くの皆中堂さんへとぼし込みゴム挽きの滑り止め足袋を調達したのでした。


 殊の外、此の道場は滑るのだと道場の床に責任を転嫁する愚かなる老輩者が此処にいるのです。


 


 きんきんこと愛川欽也さんの訃報に今接した。