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法定の事=八相発破その3
いつもお便りを届けて下さる東京の天さんから意外な応援歌が舞い込んだ。
歌詞つき楽譜つき音曲つきのまさにさだまさしの肉声そのものではありませんか。
その頓馬で目出度き人物が今更ながら遅ればせながらも大きな感銘を承った次第なのです。
人間の悲哀と哀愁を絞り出すように切々と訴える名曲でした。
何を隠そう外でもない、今題材と致す法定の形一本目「八相発破」は嘗ていにしえには鹿島神宮の地にて此の防人たちが真の武道修錬の為に鹿島神傳一ノ太刀の錬磨に徹した。
八相発破の一ノ太刀の術を修得した者こそが防人の名の下に国土防衛の為九州の果てまでも健気に出陣して行くことが適ったのだという。
絶体絶命の窮地に陥っても怯むことなく雄々しく活路を信じて敵刃の真下に身を曝していく。
確かに考えて見れば日清日露に始まる戦時下において軍部中枢は軍隊に対し特攻と称する不条理な命を下さした。
でもそれは此の事を極端に歪曲し曲解した邪道の極み非道の最たるものでありましょう。
断じて許さるべからざる暴挙として鹿島の武人なら眉を顰め猛省を促す事でありましょう。
しかし、此の一ノ太刀の根底に脈々と流れる精神こそは無条件に立派です、いや立派過ぎます。
武人のみならず人として生まれたならば誰しも大切にすべき教理だと信じます。
つまりは死の道より生還することに懸けて、また逆境転じ順境へ繋げ行く為に、更には敗北の背戸際から勝利の栄冠へ導くべく人間として最大限努力することはとても大事な事に決まっている。
さだまさしは名もなき防人たちを見詰める事によって人間の業とか宿命を大局的により客観的に謳い上げることに挑んだ偉大なるアーチストであることを知りました。
天さん、応援歌ありがとう。
「法定の形」を後ろ押していただきありがとう。