老いのひとこと

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新聞の書籍広告欄に「人生に疲れたら墓場に行けばいい」の文字が目に入った。


あっそうだ、今日はお天気も良いことだし此のフレーズがとても気に入ったので一つ野田山に行ってみることにしようと決めました。


此処野田山墓地には藩政期以来の古木が生い茂り木立の中には小鳥たちの囀りが静寂を破って鳴り響いている。


梢の先端に目をやるが声の主はどうしても見当たらない。


甲高い透き通るような啼き声はこぼれ陽差す秋空へ抜けてゆく。


あーあ、やっぱり来てよかったと実感する。


清三郎と鉚さんの前に立てばやはり膝辺りまで伸びた夏草が伸び放題ではないか。


金太郎さん申し訳ありません、不肖をお許し下さいと草むしりに精を出す。


無心での作業中に突然背後からモノの気配、スワ熊出没と仰天すれば何のことはない舟田さんではないか。


またしても奇遇と申しましょうか互いに久し振りの再会を喜び合った。


墓地に来てよかった。


墓地に来て先祖に手を合わせ思いを馳せて無言の会話をいたし知己との遭遇にも適ったし小奇麗に除草も完了し小鳥の囀りで癒されもした。


身に余る御利益ではありませんか。


やっぱし墓場に来てよかったと素直に感じた。


という事は、やはりわたしは疲れてはいないようで実は物凄く疲れ果てているのかも知れません。


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