老いのひとこと

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わたし達教室生はおお先生のお招きで先生の工房にて轆轤 ( ろくろ )の体験学習をさせて戴いた。


電動轆轤の何たるかをつぶさに観察し直に手に触れ作陶に勤しむことが適えられました。


この上なき貴重な初体験でした。


古墳時代より既に在ったという、人間の歩みと共に


此の轆轤は回り続けているのかと思えば感無量だ。


古代に生きた人たちもわたしたち同様恭しく厳粛なる気持ちで此の「土殺し」の工程を熟したのかと思えば不思議な気になる。


粘土のてっ辺に親指の腹を宛がい少しづつ潜行させる。


次いで、中指の先を中心に置き回転に合わせ粘土の薄さ加減を按配しながら最後は呼吸を止めて徐に両手を離す。


訳ないことです、世話ないことでした。


やはり、肩の力の脱力と脇を締め丹田の充実と誠心誠意全神経を掌に集中させ手の内を利かす事の大切さを学んだのでした。


それよりも、何んとも云えぬ重厚な雰囲気に包まれる工房内の佇まいに圧倒されたのです。


陶芸の重み粘土の重み、そして時代の重み歴史の重みをひしひしと感じ取ったのです。


お聞きいたせば、此のおお先生の此の工房は何と筆頭家老本多安房守邸にあった通称「刀蔵」の異称もつ立派な土蔵そのもだったのです。


のみならず、鬱蒼と生茂る本多の森の一角に位置する松風閣庭園より敷石道によって導き入れられたのだから体全身がピリッと引き締まるのも当然なのでした。