おお、弟よ。
鉄二さんよ、ありがとう。
今年も初夏の時節がやってきた。
おお、兄貴よ。
俺のお古だ、使って呉れればありがたい。
相変わらずの、よれよれ兄貴よ、着て呉れ給え。
夏用背広に上っ張り、新品同様、純毛だ。
お古の匂いがするよ。
煙草の匂いが微かに残る。
おお、鉄二よお前の匂いが未だに残る。
おお、弟よ。
着せて戴きますよ、ありがとう。
しばしの骨休み
汽車ポッポにて大阪へ
孫のお顔を見てきます