老いぼれへぼ剣士の夕雲考《57》

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      川村秀東は自著「辞足為経法前集」の中で師真里谷圓四郎義旭が先師小出切一雲を「相打ち」にて打ち負かし、終ぞ「相抜け」は成就し得なかったのだと記述したという。
恥ずかしながら、わたくしは明き盲 ( あきめくら )同然で古文書は読めない。
従って、キヌタ文庫より十二万円の大金を叩いて「辞足為経法前集」を買い求めても意味を為さないではないか・・・
情けない想いを囲っていた矢先、突如思わぬところより朗報が転がり込んだ。
富永半次郎著「剣道における道」巻末付録にお目に掛かることが適ったのだ。
活字に組まれた覆刻版ではあったが、強烈なるショックを給わった次第なのである。
 
 
『夕雲流剣術書』ーはじめに(12)
 
 
小出切一雲のこと=その4
  
 ただ、この当たりの経緯について、極めて意味深長な興味深い考察を、彼の針谷夕雲研究の第一人者を自負する甲野善紀氏が《剣の精神誌》の中で開陳されているのである。
既出の川村秀東著「辞足為経法前集」の中で真里谷圓四郎義旭は師匠小出切一雲に『相抜け』を挑んだが、圓四郎が師一雲を相打ちにて破ってしまったのだという。