老いぼれへぼ剣士の夕雲考《73》

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富永半次郎先生
 わたしの、読解力は極めて貧弱で遅鈍である。
 富永半次郎著「剣道に於ける道」を県立図書館より借り出したまま一向に返本しようとはしない。
 幸い予約者が入らないので延長また延長、借りっ放しが叶うのです。
 飛ばし読みとか斜め読みではない速読術を、此の歳ではあるがトレーニングすべきとつくづくそう思う。
字引とルーペは、片時たりとも手離せない。
 
 一雲の書いた『夕雲流剣術書』のこと=(4)
 
 
 その後、昭和14年には富永賢吾氏が「肥後武道史」の中で『無住心剣傳法書』を世に表わしている。
更には、昭和19年の大戦中に仏教哲学者の富永半次郎氏が中央公論社より『剣道に於ける道』を著わし、その中で『夕雲流剣術書』を発表し多大なる反響を ( もたら )したのだという。
つまり、『相抜け』を評価する世論形成に役立った。
 富永先生は、人類の将来への希望のともし火を照らし続けられるお方だ。
つまり、実に画期的な出来事として夕雲と一雲の師弟間で成就した『相抜け』そのものを高く評価した。
 オバマ大統領のプラハ宣言は、この『相抜け』に、ある意味見事に呼応しているのだとわたしは固く信じている。