老いぼれのタイ行き

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タイ国ツアーに参加して=その8
タイに来てタイ式マッサージを知らずして立ち去るのも口惜しいことだと思う。
タイミングよく義弟からお声が掛かり誘いに乗ってしまった。
バンコク市内の日本人街の一角に赴き、金銭面での物色が始まった。
120分300バーツは手頃な料金だとOKのサインが出て契約は成立した。
わたしは皆目要領を得ないので、とにかく如何わしき箇所だけは御免被りたいと前以て告げておいた。
薄暗く細長い部屋、カーテンによる間仕切りもない。
10床ほどマットのような敷布団が並ぶ、マッサージの大量生産体制は明らかだ。
パンツ一寒の上にガウンを羽織り、だぶだぶなズボンを穿かされうつ伏せに寝かされた。
 敬虔な仏教徒流儀の合掌姿は残念ながら伏している以上拝見することは叶わなかった。
もしやそのような仕草なく施されたとしならば大いに落胆しなくてはなるまい。
 と申すのも、正直言って彼の方が一心不乱に誠心誠意、心からの施術をなしているとはわたしは感じられなかったのだ。
 表現は悪いが、極めて機械的にビジネスライクにあしらっているようにさえ感じ取った。
 その一つの根拠は、わたし自身が気付く右腰の重大な凝りの部分を見落としたままやり過ごしたことだ。
 患部を治療する癒しのテクニシャンにしたら余りにもお粗末だ。
 タイ式マッサージの名折れとの汚名が付けられても仕方があるまい。
 しかし、わたしは満足顔で身も心も軽くなりましたと頭を下げて店を出た。
  ( む )  ( む )せ返るようなバンコク繁華街は歓楽を追い求める善男善女で溢れていた。