「孫旅」の思い出

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『孫旅』の思い出=その5
 
4 ホテルの巻(1)
 
 年寄は振り返りあんなことこんなこと昔を思い返すだけだが、若者は留まることを知らずに脱皮し続け今や大きく成長した。
 
 表参道駅に着いたときは、ケイタもじいちゃんも、もうくたくたに疲れていました。
しかも、大都会の雑踏と人いきれ、ジリジリと太陽が照り返し風もない。
汗が流れて、ビショビショです。
 ホテルを探しているとき、ケイタはミンミン蝉が鳴いているのに気が付いた。
このような状況下でも、ケイタには周りのことを冷静に観察する余裕があるのです。
たしかに、ビルが林立する東京のど真ん中にミンミン蝉がいるとは不思議なことに違いない。
東京には割と緑が豊富なのかもしれないね。
 
 ところが、ホテルがなかなか見付からない。いろんな人に道を尋ねても、どうしても見つからない。
そこへ、自転車に子供を乗せたオバサンがやってきて、そのホテルは名前が変わって、その角っこにあるあのホテルだよと、親切に教えてくれました。
 やれやれ、今その前を通り過ぎたばかりのホテルだったのです。
自動販売機でケイタは缶ジュースをじいちゃんは缶ビールを仲良く一気に飲みほしました。
 久し振りに、ケイタはじいちゃんと一緒にお風呂に入った。
相変わらず、じいちゃんのお風呂は熱いなあ。
 2つのベッドはトランポリンに早変わり、ケイタは楽しそうに飛び跳ねました。
公衆電話で四十万のお家へ電話をしたが、どうしてもつながらなかった。
 仕様がないので、少し早かったがホテルのレストランで食事をとることにした
ケイタはじいちゃんの料理を仲間っ子にして食べることにした。
もちろん大好物のエビフライも注文した。味はまあまあでした。
ケイタはよく噛んで食べたはずだったのに、急にトイレにいきたくなってしまった。
じいちゃんにいうと、じいさんはケイタの冒険旅行なんだからケイタはフロントへいってトイレの場所をきいて、一人でしていらっしゃいというではありませんか。
ケイタは、直ぐに行動に移しました。
 ところが、しばらく経ってもケイタはもどってこない。
おかしいなあと思いながら、じいさんは待つのだがやっぱりこない。
じいさんは胸騒ぎがしてきた。まさか・・・・