老いぼれの独り言

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町内会の新役員としての初仕事は挨拶回りである。
町内にある店舗や事務所への顔出しである。
町費のご負担を強いている以上せめて前年度の決算報告書を携えての訪問であるべきです。
処が初っ端から失敗を仕出かす始末で先が思いやられる。
口上よろしく恭しい挨拶を済ませ玄関を出るや慌ただしく店長さんが追いかけて来て、こちらは「扇が丘」の住人でお門違いじゃありませんかと苦笑いなされる。
こちらは森さん、水口さん共々大笑いした。
新米さんでは済まされない。
同じ町内に住を賜わりながら相互のコミュニケ―ションが如何に粗雑で無頓着であったかがよく分かった。
20戸ほど回ったが馴れぬ事ゆえ大変な大仕事に思えた。
門ごとに文言を少しは変えては見るものの同じ言葉の繰り返しで疲れ果てました。
現場での営業担当のセールスマンが如何ほどに大儀であるかがよく理解できたのです。
「楽ちん」さんと「様様」さんと「箸一」さんは夜の部に回すことにした。
そして、どん尻の居酒屋さんのお店「箸一」さんで最後のご挨拶を済ませいざ帰ろうとすると店長さんがわたしの名を呼んで呼び止めるではないか。
彼はわたしの名を覚えてくれていたのだが、わたしは彼の名を思い出そうと懸命に努めるが終ぞ失念したまま気まずい思いで店を出ざるを得なかった。
此の無礼の程をば只管お詫びするだけであった。
早速、家にて名簿を引っくり返し漸くにして内川中での橋本直樹くんの名が判明した。
その足で再度駆けつけ「箸一」ののれんをくぐり「生中」を立て続きに二杯飲み干して詫びを入れてきたのでした。
はたはたがとても珍味で美味かった。