老いぼれの独り言

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たわいのないことです。
毎朝のラジオ体操への行き帰りに見聞きすることです。
とある休耕田跡の空き地に差し掛かるとコオロギたちの大合唱が耳に入る。
まるでわたしの到来を待っていたかのように一斉にタフトが振られたような錯覚に陥る。
一糸乱れぬ大コーラスではない。
みな勝手に気の赴くままに自由奔放に奏でているにもかからわず至って心地よく訴えてくる。
雑然とした無秩序な合奏ではあるがよーく耳をそば立てれば調和のとれた心振るえる旋律を感じる。
何十匹では効かない、いや何百匹にも日によっては天候次第で何千匹の大合奏のようにも聞こえるから不思議だ。
当初は此のコオロギコーラス隊の舞台の奥地に佇む民家の屋敷内で高尚な趣味の持ち主が大々的に飼育なさっているものと思いきやどうもそうではない。
実地検分を試みみずから確認をとった。
ごく自然に繁殖したことに気付いた。
除草剤なんて云うおっかない物とも縁のない昆虫たちの楽園に相違ない事を知った。
わたしが足を踏み入れるとコンダクターは手を休めたらしくボリュームは心持ち小さくなる。
わたしが遠のけば再び合奏付きコーラスがはじまったではないか。
体操で癒され、此処でも虫の音色のシャワーをふんだんに浴びて贅沢すぎる朝の一時に大いに感謝いたさねばならない。