老いぼれの独り言

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足の指で床を食む
足の指で床を掴むように
尺取り虫のように床を這う
足の指をくねらせてじりじりと前へ出る
足の指を繊毛運動させて前へ移動する
 
相方に気付かぬように間合いを図る
相方に気付かぬように自分の間合いを作る
相方には遠く自分には近い間合いを作る
攻めの気勢でじりじりと間合いを詰める
足の指をくねらせて尺取虫のように攻める
 
わたしにはもう此の「含み足」はできない
おぼつかない
攻め足の右足が攻め足でなくなった
斯くして老兵は音もなく消え失せて往くのです
これが自然の摂理というものなのでしょう