老いのひとこと

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体育館の管理人さんから帰り際に「あなたは齢を召している割には卓球お上手ね」とお世辞が心地よく振り掛かる。


「そりゃーそうですよ、わたしには名コーチャーが付いてますからね」と言葉を返すのです。


 


偶々、テレビで石川選手に福田選手と奥園選手が挑む名勝負を心ゆくまで観賞しました。


凄まじいばかりの神経戦にもかかわらずプレッシャーの気配をおくびにも出さず勇猛果敢におのれの持てる力を如何なく発揮する堂々たる姿には心底痺れてしまいました。


 


明日は一つ板宮ご夫婦におねだりして今年最後の打ち納めを飾ることに致そうとテレビを見ながら勝手に決めてしまいました。


現金なものです、わたしは子供と一緒なのです。


案ずるまでもなく御二人はわたしの意中を汲み取ってくださいました。


充実の一時、真冬に薄っすら心地よい汗までいただいたことになる。


なにかしら、ほんのりとした云うに云われぬ悦びをいただいたのです。


その悦びの余韻納まらぬうちに帰り際の玄関先で管理人さんよりダメ押しの言葉をいただいたのです。


卓球と戯れる一時を今以って享受できる此のわたくしは本当に幸せ者です。


御世話いただく伴侶のような此の体育館にあたまがさがる。