老いぼれのひとり言

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連日、冬の好天がつづく。
思い付くまま野田山に入ってみた。
大樹の下は未だに黒い地肌を露わにするが大方は十センチ程度の雪で覆われ尽くされる。
 奥まるにつれ人の靴跡は途絶えなだらかな起伏を伴う純白の世界に至る。
此の度の降雪の後にしては初めての足跡を残したことと相成ろう。
ほんのちっぽけな微々たる世界ではあるがわたしはわたしの足で此の壮大なる大自然をあたかも自力で征服したかのような変な錯覚に捉われてしまった。
わたしの歩んだ足の数だけ足跡は残ろう。
だからといって、後ろを振り返り足跡の数を数えてみても所詮意味がないと思いつつもついつい後ろを振り返ってしまう愚か者が此処にいた事になるのです。
また、一つの区切り点を今まさに通過せんとしています。
相も変わらず、浅はかにして取るに足らない妄想事を怖気もなくえいえいと曝け出しています。
ごひいきして下さる方々に衷心よりこうべを垂れさせて頂きたい。
 
雪原には数多くの野うさぎたちの足跡がありました。
通い慣れた彼らの道筋に従い彼らは生きる糧を求めてえいえいと移動する。
大地に芽吹く微かな緑こそが彼らの生命を維持することになろう。
足跡はその何よりの痕跡でしょう。
わたしも同様生きるための糧を求めてえいえいと歩む足跡の痕跡をさがしに此処野田山に迷い込んだのかもしれない。
何故かしら急に目頭が滲んで前がよく見えなくなってしまいました。
感謝の気持ちでいっぱいなのです。